明日が雨でも晴れでも(完結)

ライトなラノベコンテストのエントリー用ブログです。 青春小説をアップしていきます。

「明日が雨でも晴れでも」

極度の紫外線アレルギーの逸子いつこが保健室で目を覚ますと、
そこにはなぜかクラスメイトのボスザル、三谷野みやのがいた。
そして、三谷野は逸子が思ってもいなかったことを口にする――

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★著者情報★
晴海まどか
千葉県育ち東京都在住の文章クリエイター。
ヤング・アダルト小説や文章術の本をKindleストアなどで販売中。
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2-3

 雨だ。

 呆けたように空を見上げ、三谷野が呟いた。私も同じように天を仰ぐ。

 いつの間にか、灰色の雲が空を覆っていた。
 雨粒を落とす曇天をぼうっと見ていたら、視界が暗くなった。広げた濃紺の折りたたみ傘を、三谷野が私に差し出している。

「貸すよ」

 傘の柄に手を伸ばさないでいると、いいから、と無理やり押しつけられた。私の家近くだし、日傘もあるから。そう返そうとしたが、遠慮は御無用、と三谷野は武士のような口調になって両手で制す。雨粒はみるみるうちに大きくなって、三谷野のワイシャツに染みを広げていく。

「俺んち、走れば五分かからないから」

 三谷野は近くの高層マンションの名前を挙げた。その真向いの古い家が俺んち。

「っつーことで、雨も降ってきたし、俺はいったん退散するわ。祭りに行くかどうかは、明日訊くからな!」

 今日はゆっくり休めよ! 三谷野は最後にそう言い残し、ぱたぱたと走っていってしまった。

 ぽつんと取り残され、去っていく三谷野を見送った。雨音が急に大きくなったような気がした。騒がしい三谷野がいなくなったからだろうかとも思ったが、それ以上に雨の勢いがどんどん強くなってきた。うなる腹の虫のような雷も聞こえてくる。

 嵐の予感。

 押しつけられた傘を足元に下ろして畳んだ。無理やり渡された傘を使うのはしゃくだったし、それに、太陽を隠す雨は嫌いじゃない。大した距離でもないし。畳んだ傘を手にしたまま、日傘で雨のカーテンを突き破るように走った。ほてった手足を正面から叩くぬるい雨は気持ちよい。

 なだらかな坂の途中にある一軒家が我が家だ。玄関の軒下に到着し、すっかり重くなった日傘を畳んで大きく一息ついた。足元に三谷野の傘を置いてドアを開ける。

 玄関の時計を見ると、もうすぐお母さんが帰ってくる時間だった。面倒で、電気もつけず暗い廊下をぺたぺたと歩き、タオルを取りに洗面所に向かう。濡れた靴下が廊下に点々と足跡を残していた。

 乾いたタオルで前髪を拭いていたら、ふぅっとため息が漏れた。ちょっとだけ、しんどい。病み上がりで走ったのはよくなかった。

 湿ったタオルで顔を覆って、三谷野のことを思い出す。

 三谷野は私のことを、夏子って呼ばなかった。

 タオルをかぶったまま自室に戻った。別に、いいんだけどさ。濡れた制服を脱ぎながら誰にともなく呟いてみたりする。そんなことは別に、いいんだけど。

 誰かに告白されて嬉しいとかそういう気持ちが一パーセントもないなんていったら嘘になるけど。残りの九十九パーセントを占めるのはイライラだった。

 似た者同士だなんて、冗談じゃない。


当ブログで公開しているのはここまでです。
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また、当ブログに掲載している内容は、改稿前(応募時)のままのものです。
製品版は監修・校正結果を反映し修正したものになります。

2-2

 外はむわっとしていて、熱を持った空気はべたべたと肌にまとわりつく。
 明日は終業式。夏休みはすぐそこだという事実に、ずっと重たかった気分は少しだけ軽くなり、そしてすぐにもとの重さに戻った。どうせ、家から出ることなんてほとんどないまま夏は終わっていく。夏休みは嫌いじゃないけど、別に休みが夏じゃなくてもいいと思う。秋休みとかさ。
 
 校舎をぐるりと回って裏門から出て、坂の多い住宅街を歩いた。三谷野は黙ってついてくる。私よりも十センチ以上背が高い三谷野は、当然ながら脚も長いはずで。普通に歩いたら、どうやったって一歩前を行くはずなのに、不自然なくらい歩調が遅い。仕方ないので私はもっと遅く足を動かすのだけれど、三谷野はさらに歩みを遅くする。

「無理して合わせてくれなくてもいいんだけど」

 学校を出るまではきれいな夕焼けだったのに、東の空から厚い雲が広がっていて、なんとなく街は薄暗かった。街頭にぽつぽつと白い明りが灯り始める。

「俺は無理はしない主義だ」

 こっちがどんなに突き放しても、三谷野は普段と変わらない明るさで返してくる。こういう奴だからしょうがないと諦めればよいのか、どういうつもりなんだとイライラすればよいのか。三谷野のことを知らなすぎて、判断できない。

 さっきさ。唐突に、三谷野が切り出す。昇降口で話してたのって、隣のクラスの<ruby>花村<rt>はなむら</rt></ruby>だよな?

「同じクラスになったことないのに、接点なんてあるの?」

 なんでそんなこと三谷野が知ってるの? 三谷野は答える代わりに、してやったりと言わんばかりにニッと笑んだ。訊かなきゃよかった。

「小学生の頃に、吹奏楽部で一緒だったの」

 これ以上訊いてくれるな、という空気をかもしたつもりだった。なのに、三谷野は空気を読まない。

「なんで中学では吹奏楽続けなかったの?」

 ほらほら、こういうこと訊いてくるんだ、コイツは。

 別にいいじゃん。ぼそっと答えた私に、三谷野はなおも喰い下がる。別にいいなら話しても別にいいじゃん。なんだかんだで私は疲れていたし、そんな三谷野をいなすのはとても面倒で。

「うちの学校の吹奏楽部、マーチングがメインだから」

 マーチングというのは、楽器を演奏しながら、行進をしたりフォーメーションを組んだりするパフォーマンスのことだ。遊園地などでも、兵隊のようなぴしっとした格好をした楽団が、ぴしっと揃った行進や踊りをしながらかっこよく演奏していることがある。炎天下で楽器を持って行進なんて、できるわけがない。やれるものならやってみたいけどさ、なんて負け惜しみみたいなことは、絶対に口にないけど。

 ふいに、三谷野が足を止めた。町内掲示板をじっと見ている。でかでかと貼られた、稲浜神社の祭りのポスター。

「さっきの返事、訊いてないんだけど」

 人に嫌な話をさせておいて、そっちは無視かい。と思ったら今度こそイラッとした。何の? とにらむ。

「お祭りに、誘ったつもりだったんだけど」

 やっぱり、訊き返さなきゃよかった。

「出店回ったりとかさ、してみたいなぁなんて」

 絶対楽しいと思うんだ。なんて、三谷野は目をきらきらさせる。私の気持ちなんて一切無視して『絶対楽しい』だなんて断言できる三谷野の神経が信じられない。イライラを通り越して呆れてしまう。

「からかうのもいい加減にしてよ。ろくに話したこともないのに」

 三谷野は後頭部の髪をくしゃっと掴んで、決まり悪そうに横目で私を見る。まぁ、それはそうなんだけど。

「話したことなかったら、お祭りに誘っちゃいけないわけ?」

 そうじゃないけど、と言いかけたが、口をつぐんだ。くどくど説明する必要なんてないくらい明確なことだ。

 そんな私の気持ちを見透かしたように、三谷野は言葉を続ける。

「だから、冗談でもなんでもないんだって。俺はずっと、似た者同士かなって思って、逸子のことを見てたんだ」

 そのときだった。ぽつっと頬に生ぬるいものが当たった。

hokensitu


 オレ、エトウノコトスキダ。


 その台詞をそのまま頭の中で反芻しても、一文字ずつ分解してみても、カタカナに変換してみても、まったくもって意味が入ってこなかった。ぽかんとしている私と、あーっとまたもや頭をかきむしっている三谷野。

 なんだこの構図は。なんなんだ。

 わずかな沈黙のあと。がらがらっとドアが開く音がそんな空気をやぶり、今度こそ中原先生が顔を出した。大柄な中原先生は、トレードマークのポニーテールを揺らしながらずんずんと大股で歩く。

「江藤さん、もう起きたの?」

 からっと明るい中原先生に、小さく頷いて布団を引き寄せた。そんな私と三谷野を見比べ、中原先生はからかうように、変なことしてないでしょーね、と三谷野の肩をぱしんと叩いた。するわけねーだろ! 三谷野は口をへの字に曲げる。


「ショック症状もあるかもしれないけど、主に貧血かなぁ」

 三谷野をパーティションの外に追い出し、中原先生はそう診断した。先生は私のおでこにそっと触れる。まだヒリヒリしているおでこに、先生のさらっとした冷たい手のひらは心地よい。症状もまだあるし、落ち着くまで休んでいってね。

 先生! 小麦色の手が、パーティションの上でぴょこぴょこしている。まだ保健室にいたのか、と小さく舌打ちする。

「俺、部活の練習が終わったら、江藤を家まで送っていきます!」

 なっ。突然の申し出に声を上げた。いらない! そんなのいらない!

「せっかくだし、送ってもらったら? ご両親、お仕事で今すぐ迎えに来るのは難しいんでしょう?」

 頭痛と共に頭を抱えた。反論できる材料がない。



 何がなんでも、サッカー部の練習が終わるまでに復活して一人で下校してやる。

 と意気込んだものの、完全回復するにいたらなかった。ベッドからのそっと起き上がった頃には窓の外は橙色に染まっていて、下校時刻を知らせる校内放送が流れている。カラスと一緒に帰りましょう。

 そっとパーティションから顔を出した。直後、するするっとドアが開き、満面の笑みの三谷野が顔をのぞかせた。

「ナーイスタイミング!」

 どこがじゃ、と突っ込む元気ももはや湧かず、大きなため息をついた。結局、三谷野を従えるように保健室を出る羽目になった。

 下校時刻を回った校舎は、部活動の片づけをしている生徒でにぎやかだった。着替えるために教室に戻っていく生徒に、ぞろぞろと下駄箱に向かっている生徒。その流れに混ざって昇降口に行き、スニーカーに履き替えていたら。夏子なつこー、と声をかけられた。トランペットのケースを抱えた、小学校時代からの友人だった。

「今帰り?」

 訊かれて頷いた。さっきまで保健室にいたから。

「また? 大丈夫なの?」

「もう全然。今から片づけ?」

「そうそう。今日はパート練習だったから」

 じゃあね。音楽室へ向かう友人に手を振った。その後ろ姿を見送り、上履きを下駄箱に突っ込んで顔を上げると、先にスニーカーに履き替えた三谷野がガラス扉にもたれて私を待っていた。ポケットに両手を突っ込んだ三谷野の視線とかち合う。

 何か言いたげな視線から目を逸らし、三谷野の前を素通りして黒い日傘を開いた。

 鼻の奥でツンとする、消毒液の臭いがした。
 
 重たいまぶたを開けると、白。天井と布製のパーティション。ベッドに横になっている。よくよく見知った保健室だと瞬時に判断し、嘆息した。

 ゆっくりと上半身を起こした途端にくらくらして、はいだばかりの掛け布団に掴まった。珍しいことではなかったので、倒れたらしい、と理解するのに時間はかからなかった。ただ、意識を失ったのは久しぶりだ。

 今日の日差しはあまりに強くて、強敵だった。

 ぼんやりとパーティションの布を見つめていたら、鮮やかな緑の葉をわさわさとつけた大きな桜の木のことを思い出した。近所の河川敷の土手に生えている、大きな日影を地面に落とす太くて立派な大木。そう、学校帰りに、行こうと思っていたんだった。一人でぼうっとするには最適な、お気に入りの日影。今日は無理そうだなと小さく嘆息する。

 グラウンドからか、野球部のものらしきかけ声が聞こえてきた。今、何時だろう。徐々に眩暈が治まり顔を上げると、パーティションの向こうで動く人影に気づいた。保健の中原なかはら先生だろう。あの、とそろそろと声をかけた。

「気がついた?」

 勢いよくパーティションが開き、声にならない悲鳴を上げた。覗いた小麦色の顔は、中原先生ではなかった。
 
 三谷野みやのたけし

 うちの中学でその名前を知らない奴は、転校してきて一日目とか、そういう事情でもないかぎりいないだろう。というか、断言する、知らない奴はいない。

 何もしていなくても、そこにいるだけで目立つ奴だった。見た目が派手だとか、そういうわけじゃない。オーラ、なんていうと大げさだけど、嫌でも目につく、いることを意識させられてしまう、存在感のかたまり。

 一年中日に焼けた肌色をしていて、休み時間は必ず片膝を立てて机の上に座り、クラスの男子たちを従える様子はまるでサル山のボスだった。そんなサル山を遠巻きに見ている女子の中にも、きっかけさえあれば三谷野としゃべりたいと思っている子が少なからずいた。去年のバレンタインデーはまさに三谷野の一人勝ちだったという。

 男女問わず人気のある三谷野を、現在のような状態にいたらしめている最たる理由が、その頓着と遠慮のなさだった。自分がボスであることを自覚していながらも、それを鼻にかけることはなく、かといってしごく当然のような顔をした。女子にモテることですら、そうだけどそれが何か? と言わんばかりの顔をしてみせたりする。ほかの奴がやったらカチンときそうなところだが、それを感じさせないだけのあっけらかんとした部分がまた、三谷野の魅力の一つであるらしかった。

 加えて、そのキャラクターだけでなく、三谷野はポテンシャルもなかなかに高かった。運動神経抜群のサッカー少年で成績もそこそこ優秀。その一方で年中学校をサボり、他校の不良とつるんでいるという黒い噂も絶えない。ファンの子に言わせれば、「そのミステリアスな部分がたまらない」。

 そんな三谷野の通り名は『万年晴れ男』。三谷野が学校をサボると雨が降るとの噂はあまりに有名だ。

 ……と、前置きが長くなった。つまりは、こういう三谷野なので。

 日影に近いところに存在している私と、同じクラスに属しているという以外の接点などあるはずもなく。別世界の住人である彼が保健室で私の目の前にいる理由が皆目理解できない。

 サッカー部の練習を抜け出してきたのか、汗染みのついた紺色のユニフォーム姿だ。口を開けたまま言葉も出ない私に、三谷野は白い歯をのぞかせて笑みを向けた。

「水でも飲む? ここにコップあるからさ」

 背を向けた三谷野を、ちょっと待って、と止めた。

「中原先生は?」

「先生はなんか電話がかかって来たとかで職員室。江藤えとうのことは俺が見てるから遠慮なくって言っておいた」

 なんで三谷野が私の看病を申し出る? 訊こうと思ったその瞬間、くらっとした。眩暈。

 ベッドに再び倒れるかと思った。が、予想に反して体は何かに支えられた。

 健康そうな汗の臭いが漂う。顔を上げると、三谷野の手が私の肩を支えていた。ぎょっとして体を引いて、結局ベッドに倒れ込んだ。ごめん、と三谷野は頬を掻いた。

 掛け布団を頭までかぶって、働きの鈍くなっている脳味噌で考える。

 何? 何これ?

 取り巻きの子たちなら鼻血を出しそうなくらいのシチュエーションであろうことは理解できた。が、ろくに話したこともない上に、三谷野のことをボスザルとしか思っていない私にしてみれば、混乱以外の感情など発生しようがなく。

 そっと、布団から目元を出した。途端に三谷野と目が合ってまた布団をかぶった。

「あのさ」

 三谷野は私の疑問に答えてくれた。

「江藤が倒れてたの、俺がここまで運んできたんだ」

 ようやく現状を認識でき、混乱がおさまった。なんだ、と息を吐き出し、掛け布団から顔を出した。ゆっくりと上半身を起こしてみた。目眩は起きなかった。

 何はともあれ、ありがとうと礼を述べる。

「よくあることだし、もう大丈夫だから。サッカー部、戻っていいよ」

 三谷野は私の言葉に反し、近くのパイプ椅子を引き寄せてどかっと座った。

「心配だから先生が戻ってくるまでここにいる」

 本格的に居座るつもりらしいその様子に、にわかに不安になった。

「三谷野がここにいる理由なんてないじゃん」

 それから、心の中で付け加える。そんなところにいられても、気まずいだけだし。

 一刻も早く出ていってくれないかと内心ため息をつきつきその顔を見たら、三谷野はなぜか真剣な面持ちになっていた。

 すっと立ち上がり、理由ならあるよ、なんて私を見下ろす。私が知っているボスザルのものとは異なるその表情にほんの少しドキリとしたものの、不信感が勝った。自分でもわかりすぎるくらいに眉根が寄る。すると、今まで威勢がよかったのが嘘のように、あのさ、ともごもごしてから、三谷野は意を決したように顔を上げた。

「体調が悪くなければでいいんだけど。あさっての夏祭り、俺と一緒に行かない?」

 学校と駅の中間地点にある、稲浜いなはま神社の夏祭り。たくさんの出店が並び、小規模な花火まで打ち上がるこの辺りではわりと大きなそのお祭りに、男子と一緒に行く。それには、大きな意味があった。

 稲浜神社のお祭りに行くと、カップルが成立する。

 まぁ、一緒に祭りに行こうとどちらかが誘い、承諾した時点でカップルが成立したに等しいのだけど。恋愛成就を売りにしている稲浜神社にあやかったそんな話は、うちの中学では常識中の常識、鉄板である。稲浜神社の祭りに一緒に行くということは、つまりはそういう意味だということで。

「……からかってる?」

 と返す以外、どう返せと。三谷野くんとお祭りに行けてキャー嬉しいー、なんて喜び騒ぐ理由は私にはないぞ。

 少しむっとしたように、三谷野は自分の顔を指差した。

「これが冗談言ってる顔に見える?」

 いつもにこにこお調子者の三谷野が少しくらいむっとしたところで、万年楽しそうな表情が変わるわけもない。黙って首肯すると、ウキーと頭をかきむしるサルのごとく三谷野はほえた。

「なんで? 俺、すんげーがんばって言ったのになんでそーなる?」

 わめいた三谷野の声が頭に響いて顔をしかめた。そんな私に気づき、三谷野はごめんっ、と大人しくなった。

「とにかく、嘘でも冗談でもないんだって」

 わけがわからないし、頭痛もあいまって段々とイライラしてきた。

「嘘でも冗談でもなかったらなんなの? 罰ゲーム?」

「だから、そーゆーんじゃないって」

 どーしてわからないかなぁ。三谷野は困ったようにぽりぽりと頬をかいた。

「俺、江藤のこと好きだ」


 

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